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執筆者の写真Takanori Murakami Percussion

カホン修理

更新日:2021年5月8日

2年前にTYCOON PERCUSSIONから提供いただいたカホンの響き線が切れたので修理した状況をまとめてみました。その前に、弦が切れた....といっても演奏中にバチン!と切れたわけではなく、アレ?なんか片方だけ弦が緩んでる感じの音(僕の場合は締めて張ってるはずなのに、やたらシャバシャバと弦が打面にあたってる感がある)がするなぁ、と思って下部の弦の張り具合を調節する部分を締めても、音や減の張り具合が変わらない、、、、で、打面を外し中を開けてみたら弦が切れてる、というよりも伸びてる状態に。という事で自分で張り替えることに。


カホンの中の響き線は(メーカーによって違うかもしれませんが)アコースティックギターの弦が使用されてることが多く、まずはギターの弦を調達。

以前は知人のギタリストからいらなくなった弦をもらって修理したりしてたのですが、ここ最近ギタリストと接触する機会もないのでAmazonで一番安い弦を購入


では張り替え作業開始。

事前に注意した方が良いのは、切れてない左側の弦を下部の弦の張り具合を調節する部分にて緩めておくこと。でないと新しい弦を張る時に、切れてない方の弦がピンと張られたままだと、手作業でそれと同じテンションに新たな弦を調節するのが結構厳しいからです。



次に本体下部の弦をひっかける部分(張り具合を調節する部分)の高さを左右同じ高さにしておく。

(これは既に弦を張った後の写真ですが)

個体差があると思いますが、このカホンは本体の底、打面に近い部分に小さな六角ボルトが二か所あり、それを六角レンチで回すと、この横たわってる木の部分が上下し、弦の張り具合を変える感じになってます。



切れてない左部分を参考に右側上部外側の穴の内側から弦を通していきます。


そして、下部の張り具合を調節する部分にくぐらせ上部右側のもう一方の穴にねじで固定してます。

その際、ネジに1回し、もしくは2回しくらい弦を巻いてドライバーでネジを一先ず仮止めくらいのしめ具合でしめていきます。でないと後で左側の切れてない弦と同じくらいの張り具合に調節する際に、何度もきつく締めたネジを緩めたりを繰り返してるとネジに巻いてる部分の弦が痛んで切れやすい状態になってきます。


このくらいかな、という状態で左右の弦の張り具合に差があるか確認します。

この弦を弾いて音楽を奏でる楽器ではないので、そう神経質にはならなくていいとは思いますが、下部の張り具合を調節する部分を左右均等にした状態でなるべく、左右同じくらいの感じになるように右側の新たに張った弦も微調整していきます。動画にあるように、この状態での鳴り具合は新しい弦と古い弦という事もあり、ギターのように弦をはじいた時の感じや音は全く同じにすることは難しいですが、ある程度の調節でいいと思います(この後、右側の弦を若干緩めています)


ある程度の調節が出来たら上部の弦を止めてるネジをしっかり締めて打面を取り付けていきます。

僕はまず四隅のネジを差し込んで軽く締めた状態で打面と本体のズレが無いように徐々に四隅のネジを均等に締めていきます。この際、一か所ずつキツク締めていくのではなく、右上部を7割締めたら左下部を7割、次に左上部を7割の後、右下部を7割、そして最初の順番で今度は9割、同じ順で絞めていき....というように均等に徐々に絞めていきます。その後は上下左右の対角線上にあるネジ穴にネジを差し込んで同様に徐々に絞めていきます。


しっかり打面を固定することが出来た状態です。この状態では、弦を張るときに緩めたままの状態なので、響き線が打面にあたる音がしません。


カホン本体の下部にある減の張り具合を調節する六角ボルトを少しずつ締めて、打面を叩いた時に好みの響き線の音が出るように調節し完成です。


初めてだと若干時間がかかるかもしれませんが、コンガやジェンベの革を張り替えるのとは違い簡単な作業なので、慣れるとゆっくりやっても30分もあれば、弦の張替はできます。


という事でカホンの弦がなんかおかしいなぁと感じた時の張替の事をまとめてみました。


僕がカホンを演奏に取り入れ始めたのが約20年前(未だにそうたいして上手くはありませんが)今ではたくさんの方がカホンを楽しんでらっしゃる....というか日本では(パーカッション中で)カホンしか売れてないんじゃないかって思うくらいカホン人気は凄く、そして楽器を触ったことない方にもコンガやジェンベ等といった打楽器と比べて、どちらかというととっつきやすい印象のあるカホン。

先日カホンの弦を張り替えるという話を知人(カホン所有者)にした際に「張り替えなんか自分で出来るんですか?」みたいな話になりました。

ある程度の年数、打楽器に関わってる人間からすると、こんなこと皆知ってて当たり前だろうからわざわざ言わなくても....という感覚が世間一般とズレてきてる状態にあることを再確認し、この記事をシェアした次第です。何かの参考になることと、楽器や音楽でつながる人の輪がいろんなところで広がることを祈って。

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